人称代名詞

代名詞の種類

同じ名詞が繰り返し使われる際や漠然と人や物を表す際に具体的な名詞の代わりに用いられる語を代名詞という。代名詞には、人や物を表す人称代名詞(所有代名詞、再帰代名詞も含む)や、特定の物や前述した事柄を指し示す指示代名詞、不特定の人や物を表す不定代名詞、その他疑問代名詞や関係代名詞などがある。

人称代名詞

人称と格、数、性

人称代名詞は人称と数、さらに三人称単数の場合は性によって区別される。

発話の話し手のことを第一人称、聞き手を第二人称、それ以外を第三人称という。人称代名詞を並べる場合は you,he and I のように二人称→三人称→一人称の順にするのが通例である。

人称代名詞の形は格によって変化する。主語や主格補語では主格、目的語や目的格補語では目的格、名詞の直前に置いて形容詞(限定詞)のように用いる場合は所有格になる。ただし、一般には主格補語であっても目的格の形がしばしば用いられる(It’s me. など)。

人称代名詞の曲用表

単数複数
主格所有格目的格主格所有格目的格
一人称Imymeweourus
二人称youyouryouyouyouryou
三人称男性hehishimtheytheirthem
女性sheherher
中性ititsit

総称用法

具体的な人を指すのではなく、漠然と「人」を表す際に、we,you,they が用いられる。また、文語においては one も総称用法で用いられることがある。これらは通常日本語には訳出されない。

it の用法

  • 前出の語、句、節
  • 天候、期間、距離
  • 形式主語、形式目的語
  • 強調構文

所有代名詞

所有代名詞1語で〈所有格+名詞〉の意味を表すことができる。所有代名詞は主に名詞の繰り返しを避けるために用いられる。また、人称代名詞の所有格は冠詞や指示代名詞など限定詞の直後に置くことができない。そのため、限定詞を伴う名詞に所有の意味を付加する場合は〈限定詞+名詞+of+所有代名詞〉の形を用いる。

所有代名詞の形は、一人称単数ならば mine、his と its は所有格人称代名詞と同形(its を所有代名詞として用いることは極めてまれ)、それ以外は所有格人称代名詞+s となる。

再帰代名詞

「~自身」を意味する語のことを再帰代名詞という。再帰代名詞の用法には目的語として用いる再帰用法と、主語と同格に用いられる強調用法の2つがある。強調用法の再帰代名詞は通常文末あるいは(特に文語体で)主語の直後に置かれる。

再帰代名詞には所有格が存在しない。「~自身の(もの)」という意味を表す際には〈所有格+own〉を用いる。

再帰代名詞の形は、一人称と二人称の場合は所有格、三人称の場合は目的格に self/selves を付けたものになる。一般形としては oneself が用いられる。

再帰代名詞を用いた慣用表現
  • by oneself「独力で、ひとりでに」
  • for oneself「自分のために」
  • beside oneself「我を忘れて」
  • make oneself understood「自分の考えを人にわからせる」
  • make oneself at home「くつろぐ」
  • introduce oneself「自己紹介する」
  • behave oneself「行儀よく振る舞う」

所有代名詞、再帰代名詞の曲用表

所有代名詞再帰代名詞
単数複数単数複数
一人称mineoursmyselfourselves
二人称yoursyourselfyourselves
三人称男性histheirshimselfthemselves
女性herherself
中性(its)itself