【基礎英文法】文の要素と文型

文の要素

文の中でそれぞれの語が担う役割のことを文の要素という。文の要素には、主語・動詞・目的語・補語・修飾語の5つがある。

主語

文のうち、「~は」「~が」というような動作の主体を示す部分のことを主部という。主部に相当する語句のことを主語といい、文法上 S と表記される(Subject の略)。

主語には名詞や代名詞などの品詞が対応する。その他の品詞は主語にならないことに注意されたい。これは形容詞や副詞は動作主体になりえないということを考慮すれば明らかである。例えば、

Care killed a cat.「心配は身の毒」

という文に於いて、「心配」という意味の名詞 care が主語にあたる。これが形容詞 careful「慎重に~」や副詞 carefully「慎重な~」だと文意が明らかに通じないことがわかる。

動詞

文のうち、「~する」というような主語の動作や状態を示す部分のことを述部という。述部に相当する語句のことを動詞または述語動詞といい、文法上 V と表記される(Verb の略)。

述部には動詞や助動詞などの品詞が対応する。助動詞が述部に含まれる場合は、直後に置かれる動詞の原形とまとめて述部とみなされる。

目的語

文のうち、動作の対象になる語のことを目的語といい、文法上 O と表記される(Object の略)。

目的語には名詞相当語句のみが対応する。これは意味上の観点より他の品詞は動作の対象になりえないことから明らかである。

補語

文のうち、S や O がどのようなものであるかを補足する語のことを補語といい、文法上 Cと表記される(Complement の略)。

補語には名詞や形容詞などの品詞が対応する。

修飾語

上記以外の文の要素をまとめて修飾語といい、文法上 M と表記される(Modifier の略)。

修飾語には形容詞や副詞などの品詞が対応する。また、前置詞句も一般的に修飾語とみなされる。

基本的に修飾語を英文から除いても文意が成立する。複雑な英文に於いては一旦修飾語を英文から除いてみると文構造を把握しやすい。

point

目的語と補語の判別法

動詞の直後に名詞が置かれている場合、その名詞の文の要素は目的語か補語のどちらかである。
その名詞(N)が主語の説明をしている、すなわち S=N が成立している場合、N は補語であり、そうでない場合は N は目的語とみなすことができる。

五文型

第1文型

SVOC のうち、主語と動詞だけで構成されている文のことを第1文型という。

He walked in the park yesterday.「彼は昨日公園を散歩した。」

上記の英文も第1文型である。それぞれ He が S、walked が V、in the park と yesterday が V を修飾している M に対応している。このように文に修飾語が含まれている場合でも O と C が文中になければ第1文型とみなされる。

文型の種類は動詞によって決定される。動作の対象を必要とせず、主語に対する補足説明も必要としない動詞が第1文型をつくる。例として、walk,speak,move など が挙げられる。

第2文型

SVC で構成される文のことを第2文型という。

I am a doctor.「私は医者です。」

上記は典型的な第2文型の英文である。それぞれ I が S、am が V、a doctor が C に対応している。第2文型に於いて、C は S の状態や性質を表しており、概して「S=C」の関係が成り立つ。動詞を等号に置き換えて読解すると大意を掴みやすい。

第2文型をつくる動詞には be動詞の他、smell,taste,sound など五感を表す語が多い。また、 be や become は補語に名詞か形容詞が、それ以外は補語に形容詞が対応する。

第3文型

SVO で構成される文のことを第3文型という。

Someone opened the door last night.「昨夜誰かがドアを開けた。」

上記の英文では Someone が S、opened が V、the door が O、last night が M に対応している。このように第3文型は「S が O を V する。」というような意味構造を持つ。

open,see,talk など、動作を行うのに対象を必要とする動詞のことを他動詞といい、他動詞の多くが第3文型をつくる。一方、第1文型・第2文型をつくる動詞のように、動作を行うのに対象を必要としない動詞のことを自動詞という。

第3文型をつくる動詞は非常に多岐にわたる。SVN の形をした英文に於いて、述語動詞が自動詞か他動詞かの判断がつかない場合、まずその文が第2文型かどうか(S=C が成り立つかどうか)を検討し、成り立たない場合第3文型であると判断すると良い。

第4文型

SVO1O2 で構成される文のことを第4文型という。O1 のことを間接目的語、O2 のことを直接目的語という。間接目的語には〈人〉、直接目的語には〈もの〉を意味する単語が入る。

I sent him a book.「私は彼に本を送った。」

上記の英文では I が S、sent が V、him が O1、a book が O2 に対応している。

第4文型をつくる動詞は、他動詞のうち、「〈人〉に〈ものや情報〉を与える」といったような意味を持つ語に限られる(例外あり)。例を挙げると、give,buy,tell などがある。

第4文型→第3文型への書き換え

一部の語が動詞である場合を除き、第4文型の文を第3文型の文に書き換えることができる。その際、語順はSVO1O2 →SVO2 to[for] Oのようになる。例えば、I sent him a book. を第3文型に書き換えると、I sent a book to him. となる。

書き換える際の前置詞について、give や tell のように相手に直接届けるような意味の単語の場合は to、そうでない場合は for が用いられる。

第5文型

SVOC で構成される文のことを第5文型という。

I saw him running.「私は彼が走っているのを見かけた。」

上記の英文では I が S、saw が V、him が O、running が C に対応している。

第5文型に於いて、O と C の間には=関係、あるいはSV関係が見て取れる。例えば上記の英文では him running の部分はHe is running. という第1文型の文と同様の意味を表している。

動詞の種類によって C の形が決定される。動詞が make,have,let,see,find などの場合は動詞の原形や名詞・形容詞、allow,want などの場合は to不定詞、その他の場合は名詞や形容詞が C になる。

また、regarad や view などは、V A as B の形をとり、「A を B とみなす」というような意味を表す。これらの構文は as B を前置詞句の修飾語相当語句だと捉えると SVO の第3文型と分類できるが、A と B の間に=の関係が見てとれるため、一般的には第5文型の文だとみなされる。

note

文型解釈の分かれるケース

上述の regard,view などのように、複数の文型候補が考えられる場合がある。他の例としては、look at N,run over N などのように、〈自動詞+前置詞句〉か〈群動詞+名詞〉のどちらともとれそうな場合が考えられる。これらのケースについて、分類法は斯くあるべしと明示的に定まったルールは存在しない。究極的には読解に重大な支障が生じないのであればどちらでも良い、ということになる。

文の要素と文型に関する確認問題

1. 

目的語になり得る品詞を選択肢から選べ。

2. 

形容詞がなることのできない文の要素を選択肢から選べ。

3. 

以下の英文のうち、述語動詞に当たるものを選択肢から選べ。
This song sounds great.

4. 

以下の英文のうち、angry に相当する文の要素を選択肢から選べ。
You finally made me angry.


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