文の要素
動詞の前後に置かれる語についてのルールのことを文型といい、主語や目的語など、動詞の前後に置かれた種々の語が担う役割のことを文の要素という。文の要素は動詞を含めると、主語・動詞・目的語・補語・修飾語の5種類に分類される。
文型はどの文の要素が英文に使用されるかを示す。主語と動詞はいずれの文型にも用いられる。目的語は第3文型・第4文型・第5文型、補語は第2文型・第5文型に用いられる。修飾語の有無は文型の分類とは無関係である。
- 主語(subject)…名詞相当語句(名詞、代名詞、名詞句、名詞節) 文の主部にあたる
- 動詞(verb)…文の述部にあたる
- 目的語(object)…目的格の名詞相当語句 動詞の動作の対象となる語を置く
- 補語(complement)…名詞、形容詞相当語句 主語や目的語の状態や性質を表す
- 修飾語(modifier)…形容詞相当語句、副詞相当語句 他の文の要素に意味を加える 通常、英文から除いても意味が成立する
第1文型(SV)
文の要素(修飾語は除く)のうち主語と動詞だけが使われている文を第1文型という。多くの場合修飾語を用いてSV以外の情報を加える。また、修飾語を伴わなければ文意が成立しない場合があり、そのような修飾語のことを付加語(adjunct)という。
第1文型は完全自動詞(目的語も補語もとらない動詞)をVにとる。完全自動詞は「存在」や「移動」の意味を表すものが多い(全てではない)。
因みに、いわゆるthere is構文も第1文型である。(副詞thereが文頭に置かれ、SVが倒置している。)
第1文型をとる動詞の例
単語 | 意味 |
---|---|
be | ある |
walk | 歩く |
run | 走る |
make | 進む |
go | 行く |
speak | 話す |
work | 働く |
begin | 始まる |
(SVのみ) I understand.「わかりました。」
(SVM) He worked hard.「彼は一生懸命働いた。」
(付加語) She lives in Tokyo.「彼女は東京に住んでいる。」
第2文型(SVC)
主語+動詞+補語で構成される文を第2文型という。
第2文型に於ける補語は主語についての補足説明を担っており、第5文型の補語と区別して主格補語と呼ばれる。第2文型の文は基本的に S=C の関係が成り立つ。
第2文型は不完全自動詞(補語をとる自動詞)をVにとる。第2文型をとる動詞には、「状態」や「変化」、「感覚」の意味をもつものが多い。補語は基本的に形容詞であり、beやbecomeなど一部の動詞のみ名詞も補語にとり得る。
第2文型をとる動詞の例
単語 | 意味 |
---|---|
be | ~である |
become | ~になる |
get | ~になる |
taste | ~の味がする |
smell | ~の匂いがする |
feel | ~に感じる |
sound | ~の音がする |
change | ~に変わる |
keep | ~のままである |
I am a student.「私は学生です。」
He looks pale.「彼は顔色が悪い。」
+plus
コピュラ
be や become のように主語と述語を結ぶ語のことをコピュラ(copula)または繋辞という。
上で第2文型の文は S=C が成り立つと述べたが、この説明は簡便な理解を促すためであり、正確な説明ではない。なぜならば等号は右辺と左辺を入れ替えても同様の意味を表す必要があるが、英語におけるコピュラ文はそうではない場合が多々あるためである。例えば、A dog is a mammal. という文と A mammal is a dog. という文は同様ではない。このように「A は B だ」が成り立つ一方で「B は A だ」は成り立たない文のことを措定文という。
第3文型(SVO)
主語+動詞+目的語で構成される文を第3文型という。目的語には動詞の動作の対象となる語を置く。
第3文型は完全他動詞(補語を取らない他動詞)をVにとる。第3文型をとる動詞には様々なものが存在する。
第3文型をとる動詞の例
単語 | 意味 |
---|---|
make | ~を作る |
run | ~を経営する |
hope | ~を望む |
stop | ~を止める |
see | ~を見る |
begin | ~を始める |
finish | ~を終える |
think | ~を思う |
Someone called my name.「誰かが私の名前を呼んだ。」
We played soccer in the park yesterday.「私たちは昨日公園でサッカーをした。」
+plus
8文型
既存の5文型に加え、SV,SVC,SVO の文のうち付加語を伴うものをそれぞれ独立させた8文型という分類法がある。
SVA:I am here.
SVCA:He is fond of cats.
SVOA:I put the book on the desk.
上記の英文ではそれぞれ here,of cats,on the desk が付加語にあたる。
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